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東武鉄道の小さな旅 

旅というほどのことでもありませんが、東武鉄道の切符を息子からもらったので
気晴らしに日帰り旅に出かけるとにしました。

 

列車の時刻表も作ってもらい、梅雨の晴れ間を選び朝6時に家を出ました。
時刻表を見たときそんなに早く! とは思ったのですが、何度か乗り換えていると途中で
通学時間と重なり結構混みました

南栗橋からようやくクロスシートの列車に乗り換えて下今市に到着は9時7分、3時間も
かかりました、日光の一つ手前で、日光街道の街ですが、静かでした

徒歩5,6分の道の駅、日光街道ニコニコ本陣に立ち寄り観光情報館で街のマップを入手、
すぐ近くの「報徳二宮神社」に行きました

小田原生まれの二宮尊徳がなぜこの地にと思いましたら、日光御神領の農村復興に力を尽くし、
晩年今市の報徳役所にて70歳の生涯を閉じたそうです

清々しい朝の空気の中お参りできました

 

明治31年(1898年)に創建された神社です

手水舎がアジサイの花でこんな美しく飾られていました

水に浸す神水おみくじをは中吉、このあと干支ごとに分かれている棚に置くと、
お焚き上げしていただけるようです

 

神社から次に向かったのは浄土宗のお寺さん「如来寺」

江戸時代日光社参の折、徳川将軍が宿泊する御殿がありましたが焼失してしまったようです
ご本尊は阿弥陀如来坐像、本堂は開山500年記念で大改修後の美しいお寺さんでした

二宮尊徳氏の葬儀もこちらで行われたそうです、境内は全く人の気配もありませんでした。

 

 

道の駅でひと休みしてから、予約してないので無理かと思いましたが、蔵元片山酒造さんに
行ってみました、仕事関係の人らしい3人と一緒に見学させてもらえました

お米を蒸す窯

少人数で経営の小さい醸造所ですが、いろいろこだわりがあり詳しく説明していただき、
お酒を造る情熱を感じました

日本酒の味を左右する搾りの工程は、なるべく圧力をかけずに搾ることだそうで現在も
佐瀬式」という「もろみ」をひとつひとつ人の手で袋詰めし、丹念に積み重ねて上から
ゆっくり圧力をかけてお酒を搾るそうです、こちらが佐瀬式の機械です。
15分ほどでしょうか興味深い内容でした。
解説の後は試飲です、4種類でしたがあまり飲めない私でもちょっと味がわかりました、
美味しい1本をお土産に買いました。

 

ちょうどお昼時、予定していたお蕎麦屋さんは杉並木の近くでした

 

おそばと天ぷら好きで、天ざるにしようと思っていたのに、早朝の出発でかなりの空腹、
もりそばと小天丼にしてしまいちょっと失敗、やっぱり量が多すぎましたが、美味しく
頂きました。

 

お蕎麦屋さんの向かいに追分地蔵尊のお堂が見えます

 

日光街道杉並木は初めてです、やはり趣がありますね

 

追分地蔵尊は日光街道と例幣使街道(江戸と京都)の分かれ道にあります

 

江戸時代初期に大谷川の大洪水で流れ着いた石を石工が割ろうとノミを
入れたところ石から血がにじみ出てきて掘り起こしたら巨大なお地蔵
さまで分岐点に安置。 北関東最大で高さ2m、重さは8トンだとか。

普通お地蔵さんは錫杖と宝珠を持っているのですが、このお地蔵さんは、
大日如来の手印を結んでいます。

 

この船村徹記念館の広場向かいに道の駅があります、お土産を買ったのに写真撮り忘れました。

 

日光には何度か出かけているのであえて下今市にしたのですが、見物が早く終わりやっぱり
日光に向かうことにしました、下今市駅で停車中の手前の急行に乗車券だけで乗れますよと
言われて一駅ですが、乗車しました、2人掛けで、車内は空いていました。

 

東武日光駅です、お土産はロッカーに入れて身軽に散策できました

 

世界遺産巡りバスで下車したのは輪王寺入り口の勝道上人像前

 

12年にわたる平成の改修工事が終わっていました、前回は全面シートに覆われていた三佛堂、
でも改修工事の様子を特別にかなり上から足場なども見物させていただいた覚えがあります

日光山第一の大伽藍、三佛堂ご本尊は阿弥陀如来、千手観音、馬頭観音の三仏、
各7、5m 金色木造の坐像です。
日光三社大権現の本地仏でもあります。

 

大護摩堂 お堂の位置は三佛堂の裏手です、護摩法要に参加させていただきました。

 

大護摩堂を出て右に曲がると正面が東照宮です

この日は東照宮には寄らずにこの道を下りました、歩く人もなく
何だかさみしい道でした

東照宮、輪王寺、二荒山神社参道案内の石碑

参道入り口の向かい側の赤い橋、神橋は「日光の寺社」の玄関ともいえる美しい橋です。

この近くからバスで駅に戻るつもりでしたが、お土産屋さんなど見ながら日光駅まで
歩いてしまいました、途中でちょっと後悔、駅は思ったより距離がありました。

 

駅前を入ったところで思い出して立ち寄ったのは蜂蜜屋さん、なぜかそこに熊本の名物
”いきなりだんご”を売っているのをネットで見たのを思い出しました

蒸し上がっているのが一つありベンチで頂きました、いきなり団子とは
サツマイモの上に餡をのせお饅頭のように包んで蒸しあげたもの、
銀座のアンテナョップ熊本館で買うこともあります、好物なんです。

なぜ日光で販売しているか聞きそびれました。

 

東武鉄道の小さな旅、前回の日光の旅は友人と3人で特急の個室でした。
金谷ホテルで食事をしたり、、前回とは違う日光の旅になりました。

今回の小さな旅も楽しかった、こんな小さな旅もいいものです。

皇居東御苑

皇居東御苑の大手門に9時開門の少し前に着きました

後ろを向くと永代通り、私にはおなじみの道路です

ジョギングを楽しむ人で賑わう外堀通り、土曜日で走る人は少なかった

開門前に待っていた人は20人ぐらいでしょうか、入場は無料この先で番号札を受け取ります

同心番所の前を道なりに左に折れ

江戸時時代から残る石垣のところを右に曲がります

ほどんどの人はまっすぐ進んでいました

この日の私の目的は

二の丸庭園の入り口近くのこの木、夏椿、沙羅双樹ともいわれる木です

満開のころかと思い出かけましたが、遅かったようでした、3本ある木に少し残っている
程度でした

以前に偶然満開の時に出会い、何度か訪れている場所なのに知らなかったので、感激しました

花びらのひとつにほんのりピンク色が付いているタイプ、北鎌倉の東慶寺で偶然庭師さんに
見せていただいたのがこのタイプでした

京都妙心寺の塔頭「東林院」でこの花の咲く時だけ訪れるのを許され、苔の上に落ちた花も
愛でたことがありました、ちょうど自分の誕生日のころで2回訪れています、樹齢300年と
言われていたので今回調べたら、当時の木は枯れてしまい大きなお数珠がかけてありました

すこし残念でしたが、花しょうぶがまだ残っているようなので庭園の方に向かいます

いつもアジサイを見に出かけると出会える半夏生(はんげしょう)

小さな流れのほとりにあります

この日見かけたホタルブクロはこの1本だけでした

二の丸庭園は緑が美しい季節です

花しょうぶはもう終わっていると思っていたので、嬉しかったです

池の中にも小さな花が見られました

アジサイの花のようなこちらはウツギ

雑木林は武蔵野の面影を残すように管理されているようです

九時の開門と同時に駆け付けたのでまだ人影は少なかったです

オカトラノオ

ノカンゾウ

熟した梅の実も見かけました、実がたくさん落ちていました

去りがたく、しばらく雑木林の中を楽しみました

青空でなかったのが少し残念でしたが、梅雨時ですから仕方ありません

汐見坂の向こうには行かないつもりでしたが、天守台までだけ行くことにしました

こちらは本丸北側にあり石組だけ残る江戸城天守台、1657年の明暦の大火の飛び火で
本丸、二の丸、三の丸は全焼、その後天守閣は建てられることはなかったのです

天守台の向こう側にアジサイが咲くのを知っていました

思っていたよりっ少なかったです

天守台前の芝生の広場は工事中でかなり景観が変わっていました

 

天守台裏側から竹橋方面に出ようと思っていましたが気が変わり、汐見坂を戻りました

徳川家康による築城のころは、この場所の近くにまで日比谷入り江が入り込みこの坂から
海を眺めることができたことから「汐見坂」という名がついたそうです、本丸と二の丸を
つないでいました

雑木林を戻りました、少し雨が降り出してしまいました

夏椿のある休憩所まで戻り、もう一度花を見て帰ることにしました

休憩所の前庭で見かけたのは桔梗でした、秋の草花というイメージですね。

 

このあと大手門に向かいましたが、10時半ごろでしたからこれから入場する人も多く、
少し雨模様が気になりました。
大手門近くの休憩所も工事中で向かいにお土産屋さんと小さな休憩所がありました。

夏椿はちょっと残念でしたが、緑の森で大きく深呼吸したら体中がきれいになったような
すがすがしい気分になりました。

香港点心「添好運」(ティム・ホー・ワン)

日比谷シャンテ別館に香港の飲茶のお店ができたのは知っていました。
いつも長い行列ができていて諦めていました。

香港は好きな場所で、かなりの回数通っていたところですが、なかなか東京では香港風の
飲茶が食べられず、このお店を知ったときは楽しみでした。

日比谷シャンテ、ゴジラの前がお店です

 

こちらのお店が香港でミシュラン一つ星の点心専門店です。
早めに並びようやく11時オープン時に入れました。

開店少し前にメニューを渡され、注文を書いて出しておきます、それで席に着くと
間もなく熱々の点心が運ばれてきます。

 

こちらは香港でよく食べた腸粉(チョンファン)米粉のクレープ風です、好みの具で注文、
これは海老の腸粉です、東京ではなかなかこの味が食べられなかったのです

 

スペアリブの豆鼓蒸し、ご飯にのっているのも美味しいですよ、メニューにありました

 

海老焼売

 

ちょっとボケ写真ですが、これは陳皮入り肉団子です、柔らかくて
一緒に出かけた父親の好物で、香港そのままの味が懐かしかったです

 

おなじみ蓮の葉ちまき、これも大好物です、おもったより大型でした

ここまでは友人が開店に遅れて私が注文しておいたメニューです

 

湯葉巻き揚げ

 

茄子の海老団子、海老料理が多くなりましたが、友人が注文したこちらも美味しかった。

お店を出たとき11時からの開店時に入れなかった人が並んでいました。
店内から見えたので友人と早めにお店を出ました。

チャーシュー饅の焼いてあるタイプはいつでも買えます、甘めで美味しいです。

 

先ほど香港からお母さんの介護でずっと山口県周南市に戻っている純子さんから電話を
もらいました。
香港の家に何度も泊めていただいた友人で、私の誕生日で電話をくださったのです。
久しぶりに東京で香港の味を楽しんだことを話しました。

名刺を見たら香港では深水歩、中環、奥運、北角などにお店があるようです。
私にも懐かしい地名です。
そう遠くない日にまた香港で会えたらと話しました。

 

東叡山「寛永寺」

博物館の帰り、久しぶりに「寛永寺」に立ち寄りました。

山号は「東の比叡山」の意、寺号は寛永年間に創建されたことによります。
比叡山延暦寺を見立てています。

天台宗の大本山
寛永2年(1625)に徳川幕府の安泰と万民の平安を祈願するため、
江戸城鬼門(東北)にあたる上野の大地に、慈眼大師天海大僧正により
建立されました。

のちに第四代将軍・徳川家綱公のち霊廟が造営され、将軍家の菩提寺も
兼ねるようになりました。

秘仏ご本尊は「薬師瑠璃光如来」比叡山延暦寺の根本中堂のご本尊と同じです

上野公園、博物館とは違い静かな境内でした

このお寺さんには立ち寄りたい理由がありました。

2014年の発行になりますが、「蔦重の教え」という車浮世さんの本が好きで、
その中に寛永寺さんが登場します。

現代から江戸時代にタイムスリップした主人公(中年サラリーマン)が
現代に戻り、寛永寺さんの境内が登場するのです。

時は1780年代、蔦重は蔦屋重三郎、タイムスリップした場所は吉原、
江戸時代好きには興味津々でした。

 

今の上野公園全域が「寛永寺」境内だったのです

 

喧騒を離れてほっとするひと時、「主人公が壺を埋めたのはどの木の根元かしら?」なんて
ちょっぴり江戸時代に思いを馳せました。

 

根本中堂の中でお参りをして、休ませていただき、帰路は珍しく鶯谷駅に出ました。

いろいろ忙しかった数週間、ようやく更新できました。

 

 特別展「国宝東寺-空海と仏像曼荼羅」

真言宗総本山の京都・東寺は平安京遷都に伴って建立されたのち、空海が真言密教の
根本道場とした。
空海が構想し講堂に安置された21体の仏像からなるのが「立体曼荼羅」今回は
最多15体がお目見えしました。
そしてほとんどが全方向から見られる展示でした。

早く出かけたいと思いながらようやく出かけられたのは5月27日、6月2日まででしたから
チケットは上野駅構内で購入しても「平成館」の入り口で30分待ちでの入場でした。

 

 

国宝 「兜跋毘沙門天立像」  中国 唐時代・8世紀

中国・唐時代に造られた、異色の毘沙門天像 腰が高い細身のスタイル
中央アジア風の甲が特色で、日本でも各地で模刻が造られるなど信仰を
集めた。平安京の羅城門に安置され、都を守護したと伝えられる。

重要文化財 「阿弥陀如来坐像」

空海が始めた最重要の法会「後七日御修法」の堂内の様子が再現して
紹介されていました、興味深かったです。

重要文化財 「五大虚空蔵菩薩坐像」 唐時代・9世紀

今回撮影が許された「帝釈天騎象像」

着甲し、武器である金剛杵(こんごうしょ)を手にする仏法の守護神

もとはバラモン教のインドラ神で、ブラマー神である梵天とともに
仏教に取り入れられ対で表されることが多い。

須弥壇の上では、西方に配置される。

ゆったりと象に乗る姿はインド風で、奈良時代までの帝釈天の表現とは
異なる、空海がもたらした新しい情報に基づいて造られたそうです。

今は蓮華の座に代わるが、五仏や五菩薩も当初は鳥獣の台座に座して
いた可能性がある。

前期と後期で展示の入れ替えがありましたが、見ごたえのある仏像を
ぐるっと回って全方向から見せていただけるのも魅力でした。

開場に入ると、イヤホンガイドを聞きながらゆっくり楽しめました。

 

あまりにも忙しく過ごしていたので、ほっとしたひと時でした。

素晴らしい「東寺展」に京都に出かけたい気持ちもますます強まります。