１０月２３日 朝から青空が広がり旅日和となりました。
今日午前中の目的地は城下町の面影を残す横手市増田町です。
トンネルを抜けると
広い敷地にりんご畑が広がっていました
駐車場脇にもこんなに大きなりんごが、よい香りでした、こちら「かねさく果樹園」はライブカメラで
園内が見られますが訪れるのは始めて、この時期に美味しい品種を選び発送をお願いしました。
増田町
国内有数の豪雪地帯である横手市の南部に位置する増田町は二つの河川と二つの街道の中継点でも
あるため、水陸交通の要衝として栄え、寛永２０年（１６４３）に起源を持つ朝市が今も開催され、地域の
生活市として賑わっているそうです。
佐藤養助漆資料館
美しい漆塗りの調度や器など展示されています
たまたま格子窓越しに浮世絵が見えました
内蔵は喫茶店だったようです
増田の中心街、中七日町通りは４００ｍほどの道に蔵が立ち並んでいますが
表から蔵は見えません 「旧石田理吉家」は県内でもまれな木造三階建
戦後の一時期、藤田嗣治、館岡栗山をはじめとする著名な芸術家がここに逗留し、作品を制作していた
ことが伝えられています
三階建ての母屋に繋がる座敷蔵
二階の応接間 居宅というより応接用に建てられた「離れ」であったことがうかがえる
黒柿をはじめよく吟味されたさまざまな銘木をふんだんに使用し、部屋ごとに趣向を凝らした細工が
なされていました。
二階部分に白漆喰の店蔵（見世）が見える「佐藤又六家」江戸時代から続く旧家
儲け方は半端ない、けれど得た富は惜しみなく還元もする、それが増田の商人の
矜持でした
道路に面した店部分から裏に抜ける”トオリ”と呼ばれる土間廊下に沿って
一列に居室が並びます
豪雪から守るため鞘（さや）と呼ばれる上屋建物で覆われた内蔵という独特な
形式になっています
外から見えた二階部分の蔵の扉の上には黒漆喰の上に繊細な白漆喰細工模様が施されています
こちらは中七日町通り中ほどの「山吉肥料店」 内蔵は座敷蔵
表口から裏へ抜ける”トオリ”は１００ｍもあるそうです、当主の奥様に
生活の様子など聞きながら案内していただけました。
今も使われている中ほどの水屋
雲母（うんも）仕上げの黒磨き漆喰、五段重ねの蛇腹扉、鞘飾りに施された麻の葉模様の組子細工、
地元の院内石を一枚岩で作った石段など、贅を極めた外装もみごとです
窓にも美しい鞘飾り
風を入れる小さな窓も閉められるようになっています
上部に窓を開け閉めするための台が渡してあります
川から引いた水路「下タ堰」（したぜき）は農業や生活用水、さらに防火用水の
役割を果すなど計画的に作られています
１００ｍの屋内”トオリ”を通り裏庭に出ました
山吉家の裏門
江戸時代増田の主力産業は養蚕と葉たばこでした、明治に入って藩のしばりがなくなると、
この二つを足がかりに増田の商人たちはめきめきと力をつけ、大正から昭和初期にかけて
商都として他県にまでその名を轟かせたそうです。
こちらはYokoさんの親戚の「谷藤家」の座敷蔵 木造２階建て切妻造
谷藤さんは年配の美しい方で、ジパングの雑誌で紹介された蔵の前で
モデルをされた方です
モデルと言えば増田の町で見かけたこのポスターの秋田美人は、１９５３年
（昭和２８）に大曲市で撮影された柴田洋子さん、当時１９歳、写真家の巨匠
木村伊兵衛の代表作で、作品が発表されるとモデルの依頼が殺到したそう
ですが、古典バレエの道を歩まれ、後に日系２世の実業家と結婚してロサン
ジェルスに住み、度々秋田に里帰りしていたそうです
Yokoさんにこちらの洋子さんがご健在と聞き、印象に残るポスターだったので
調べてみました
「県南に増田あり」と謳われたこの町は、商いを志すものの憧れの地でした。
いつかは増田に店を構え、蔵を建てられるほどの商売を張るーとの思いで
頑張ったのだそうで。
歴史ある朝市も魅力だし、事前の勉強不足が残念でまた行きたい町です。
この日の絶品の蕎麦屋さんでのお昼でした
もちろん手打ち麺
天麩羅に小さな干し餅とりんごがあったのが秋田風でしょうか、美味しいお蕎麦を堪能しました。
午後は栗駒山の紅葉を楽しみました。
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