【添乗員同行】青森ねぶたと東北の遺構を訪ねる旅2024

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「大浮世絵展」

江戸東京博物館で開催された「大浮世絵展」は3月で閉会しましたが、
1月の江戸博「友の会」では見どころ解説を聞いてから観覧しました、
その後3月にもう一度見に行きました。

 

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詳しく解説できるわけではありませんが、
図録を参考に素晴らしさをお伝えできたらと思います。

 

「浮世絵前夜」

徳川家康が幕府を開いた江戸で、17世紀後半に「浮世絵」という
絵画様式が成立した。

その浮世絵前夜ともいうべき近世初頭の絵画界は、近世初頭
風俗画と称される作品群が作られ、浮世絵成立への大きな
役割を果した。

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「縁先美人図」 (1661-73) (東京国立博物館)

「伊勢物語」二十三段「河内越」で河内の国高安に住む
女のもとに通う夫の身を案じ、
「風吹けば沖津白波たった山 夜半にや君がひとりこゆらん」
と詠む女。
庭にかくれてそれを知った男は浮気をやめる。
その君を描いたものとの指摘がある。

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「立美人図」 (寛文1661-73)   個人蔵

右手で褄をとり、左手を入れた袖を張ってまっすぐ前に視線を向けて
歩みを進める美人の姿は「縁先美人図」に代表される「漢文美人図」の
一群と共通する。

 

「浮世絵のあけぼの」

浮世絵が誕生する寛文(1661-73)頃から錦絵(多色刷り木版画の
完成された姿が誕生する明和2年(1765)までのおよそ100年間の
作品を展開する。

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菱川師宣 「見返り美人」 (元禄1688-1704)前期
東京国立博物館

左方向へ歩みを止め、右後ろを振り返った姿を描いている。
振り返る姿を描く場合、左に歩んでいるのであれば左後ろに
振り返り、顔や上半身の正面を見せる姿に描くのが
普通であるが、本図はその常識を破る。

そのため顔を真横から描く形になったので、戯作者山東京伝
によって文化7年(1810)に書かれた箱書きには、「反面美人図」と
題されている。 (期間が短い展示でした)

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懐月堂安度 「立美人図」 千葉市美術館  奈良県立美術館

遊女と考えられる女性の特異なポーズである。
安度が遊女にこのようなポーズを取らせて写生したかどうかは分からないが、
安度が作り上げた独特の造形と考えられる。

 

「錦絵の誕生」

錦絵誕生のきっかけは、明和期(1764-72)の初め、富裕な趣味人の間に
絵暦交換会が流行したことにある。

仲間同士でその趣向を楽しみ交換し合う会で、より色彩豊かで贅沢な
摺物を求めた結果、鈴木春信(1725頃ー70)らプロの浮世絵師にも
作画を依頼、彫師・摺師を求めた結果、それに応えるように木版多色摺り
技法が飛躍的に進歩したのである。

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鈴木春信 「見立為朝」 明和2年(1765)絵暦  ベルリン国立アジア美術館

平安時代末期の強弓武者、源為朝を見立て絵とした作品。
少年と二人の可憐な美人を主人公として当世風俗に置き換えている。

若衆の襟元には「メイワニ キノト酉」裾前の裏には数字、女性の着物の
柄などに年号や小の月、大の月を示す文字が隠されおり、明和2年の
絵暦にもなっている。

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鈴木春信  「雪中相合傘」 明和4年(1767)    大英博物館

春信が描く夢のように甘く透き通った恋の図の中でも、最高傑作として
多くの人の心に刻まれてきた作品。
降り積もった雪の中、男女がひとつの傘を手に歩んでゆく。
傘の柄に添えられた互いの小さな手の距離や交わす視線に、かすかな
恥じらいと慈しみが漂う。
春信の作品は9点ほど、そのほとんどが国外の美術館所蔵でした。

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勝川春勝  「花下の遊女」 「花下三美人図」  千葉市美術館

肉筆美人画にすぐれた作品を残した勝川春勝(1726-92)
満開の桜の下に歩みを進める遊女と禿。
小川が流れる春らしい野辺を三人の美人がそぞろ歩いている図。
当代一の肉筆画家と評される春勝です。

 

「浮世絵の黄金期」

18世紀後半を中心とする時期には、個性的な浮世絵師が次々と出て、
彼らは浮世絵師ならではの独自の表現を試みて成功を収めた。
まさに浮世絵の黄金期というべき時期である。

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鳥居清長  「当世遊里美人合 土手華」  天明2-4年(1782-84)頃
(とうせいゆうりびんじんあわせ)  シカゴ美術館

「土手」は本所回向院に近い土手下にあった岡場所である。眠る猫を抱いた
料理屋の仲居が、通りがかった芸者に何か声をかけている様子。

この地域で誘客が座敷に置屋から呼び出す女を俗に「猫」と呼んだという。

清長(1752-1815)は女性たちを邸内から屋外へと連れ出し、江戸名所で
遊楽する姿を描いた。
清長によって錦絵の標準的な寸法が中盤から大判へと改められた、そして
彼が考案した八頭身に近いプロポーションの健康的な美人たちを遊ばせた。

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鳥居清長 「駿河町越後屋正月風景図」 寛政元年ー3年(1789-91)頃 三井記念美術館

江戸随一の呉服商越後屋の威容を、浮世絵のような奥行きのある構図で描いた作品。
正面には富士、江戸城の石垣もよく見えており、門松が立ち並び、江戸の繁栄を象徴する光景である。
緻密で写実的な描写により実在感が高い作品で、三井家に伝来したことからも、越後屋が清長に
依頼して製作したと推察されている。

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喜多川歌麿  「四季遊花之色香 上下」  天明(1781-89)前期  大英博物館

一見すると暑い夏の日を描いた光景のように見えるが、若衆の持つ扇に書かれた狂歌は春の桜を
詠んだことから花見に向う、あるいは花見の帰りの風俗を描いたものと判断される。 歌麿初期の作。

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喜多川歌麿 「当時三美人 冨本豊ひな、難波屋きた、高しまひさ
寛政(1789-1801)前期   浮世絵美術館

富本節の名取芸者豊雛(上)、浅草随身門脇の水茶屋難波屋の娘おきた
(向かって右)、両国薬研掘りの煎餅屋高島屋の娘おひさ(左)という。

当時江戸市中で評判の美女達
3人の容貌は瓜実顔の歌麿風美人の枠内にあるが、それぞれの持つ雰囲気の
違いを描き分けることに成功している。

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喜多川歌麿  「歌撰恋之部 物思恋」  寛政中期 ギメ東洋美術館
(ものおもうこい)

歌麿は女性の容貌上の個性を描き分けようとするだけでなく、微妙な
表情や仕草をとらえることで、心の機微や境遇まで描き出そうと試みた。

歌麿の大首絵の中でも最高傑作に位置づけられる作品。

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喜多川歌麿 「婦人人相十品 ホッペンを吹く娘」 東京国立博物館
ガラス製の玩具であるホッペンを吹く娘を描いている

 

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喜多川歌麿  「虫籠」  寛政中期 ギメ東洋美術館

高度に発達した木版の摺刷技術を背景に、歌麿は対象の質感表現に
こだわった錦絵揃物を多数手がけている。
ごま摺という、馬簾の粗い摺りむらを生かした薄墨の重ね刷りにより
虫籠の細かい網目が表現されている。

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喜多川歌麿 「錦織歌麿形新模様 白内掛」 ベルリン国立アジア美術館

描く対象の質感再現にこだわった歌麿は、衣文を表現する黒線を極力廃し、
色面の組み合わせだけで女性の着衣の手触りまでも表現しようと試みた。

白い内掛けを着て盛装した吉原の花魁を描く。
この揃物は題名の脇に歌麿により台詞が書かれており、本図では「予が
筆料は鼻とともに高し。千金の太夫に比ぶれば、辻君は下直なるものと
思ひ、安物を買い込む版元の鼻ひしけをしめす」とあるなど、彼の強い
自負を示すものとして知られている。

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喜多川歌麿  「夏姿美人図」 寛政中期  遠山記念館

本図は暑さの強い季節、懐中鏡を手に汗で乱れた白粉のむらを小指の
先で治す姿を描いている。

(個人的に大好きな歌麿の絵は紹介も多くなりました)

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東洲斎写楽  三代目大谷鬼次の江戸兵衛  東京国立博物館(重文)

雲母摺の暗い背景に浮かび上がる、鷲鼻の印象的な相貌。
写楽の第1期の大首絵の中でも最もよく知られた、強烈な印象を残す1図。

寛政6年、蔦屋重三郎から版行した役者大首絵、写楽とは?

 

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東洲斎写楽  市川蝦蔵の竹村定之進   東京国立博物館 (重文)

江戸歌舞伎を牽引し、役者絵にも多く描かれてきた名優である。

*「江戸東京博物館」のロゴマークはこの絵の左目からアレンジされています。

わずか10ヶ月で筆を絶った写楽の評価は明治以降、まず海外で高まった。
大浮世絵展では内外の美術館が所蔵する数々の優品が並びました。

「大浮世絵展」図録より掲載しています。
<続きます>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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