【添乗員同行】青森ねぶたと東北の遺構を訪ねる旅2024

個性ある夏祭りが、ツアーの夜を彩ります
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特別展 「みちのくの仏像」

上野の東京国立博物館でみちのくの仏様たちにようやく会うことができました。

 

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3月23日、上野公園は賑わっていました、博物館前の広場に寒緋桜が咲いていて、その下で
多くの人が写真を撮っている姿が見られました、この所の暖かさでソメイヨシノの開花宣言ももうすぐ
でしょう、そんな祭日の朝でした。

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東北で本格的に仏像がつくられるようになったのは平安時代に入ってからのことだそうです。
東北6県、14のお寺さんから東京に仏様たちが集まりました。

 

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特別展 「みちのくの仏像」は楽しみでした。

 

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重要文化財 「聖観音菩薩立像」  岩手・天台寺 (11世紀)

像表面の大半に荒々しい横目の鑿跡(のみ)が残る姿は印象的でした。
「鉈彫」といわれ、頭の頂から足先まで1本の木から作り出す1木造り、
肌はもちろん衣もみずみずしい鑿跡があらわです、近年の樹種鑑定で
桂材と確かめられました。ふっくらした両肩からかけられた天衣がとても
美しく風で揺らぎそうな感さえしました。

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重要文化財 「薬師如来坐像」 宮城・双林寺 (平安時代9世紀)
東北三大薬師と呼ばれるうちの1体です

孝謙女帝があるとき重い病を得て一向に治る気配がないので占ったところ
その病は現在双林寺が建つ丘に生えた杉の大木の精が原因であるとの
結果がでました。
そこでその木を切り倒したところ病が治ったので女帝はその木の生えていた
場所に寺院を建立したと寺伝には伝えられているそうです。

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東日本大震災にさいしては本震ではなく、4月7日の最大余震で、持国天が
薬師如来の左腕に倒れ掛かり両像とも破損しました2年かけて修復されて、
展示することができました。
(薬師如来の腕に抱かれるような形になり、持国天の大破損を免れたそうです)

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国宝  「薬師如来坐像」  福島・勝常寺 (平安時代9世紀)

彫刻分野で東北初の国宝、東京では15年ぶりの公開です。

葡萄唐草模様が華やかな光背も(平安時代 9世紀)同時期に造られたもの。

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薬師像は巨材(ケヤキ)から造られた1木造り、全身にあふれるような力を感じます。
うず高い頭髪に豊かな頬のお顔です。

 

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薬師如来坐像の両脇侍の日光・月光菩薩立像は優美に腰をひねって立つ
姿です、三尊とも同時期に同じ工房で手がけられたと考えれるそうです。

 

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重要文化財 「薬師如来坐像」  岩手・黒石寺

桂の巨木から彫りだされた仏像で、内部に「貞観4年」(862年)の墨書銘があり、
7年後に東北を襲った「貞観地震」と2011年の東日本大震災の2度にわたる
巨大地震を経験しており、長く地元住民の心の支えとなってきました。

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上まぶたはうねるような線を描き、目尻がつり上がっています、唇もうねるような
形をして、口元はきゅっと引き締まり、仏像にしては「厳しい」といわれることも。

千年以上にわたり東北の山あいに座っていた黒石寺のご本尊が東京に
やってきました。
出展は収益を東日本大震災で被害を受けた東北各地の文化財の修復に
役立てたいからだそうです。

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薬師如来坐像  化仏  (薬師如来坐像の光背の1体)

 

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女神坐像   青森・恵光院   (鎌倉時代12~13世紀)

女神像は、頭からすっぽりと衣をかぶって座り、胸前で合わせた両手を衣に
包んでみせないため、全体のずんぐりしたシルエットが際立ちます。
衣からのぞく顔は、伸びやかな円を描く眉に、目じりを下げた優しいまなざし、
厚い唇と豊かな肉づきの頬が印象的で、東北に根ざした母なる大地の神に
ふさわしい姿です。

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訶梨帝母坐像 (かりていもざぞう)  岩手・毛越寺 (平安時代12世紀)

この仏は女性で左手に子供を抱いています。
訶梨帝母は一般には鬼子母神と呼ばれることが多く、古代インドの鬼神王の妻で
500人の子を持ちながら人間の子を捕えて食い殺す鬼女でした。

釈迦はそれをやめさせるために、鬼子母神の最愛の末子を隠してしまいます。
鬼子母神は子を失ったものの悲しみを知り、改心して子供の守り神となりました。

 

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重要文化財 十一面観音菩薩立像  宮城・給分浜観音堂 鎌倉時代14世紀

牡鹿半島の給分浜の高台にまつられている290cmのこの像は地域の人々を
常に見守っているようです。

円空仏

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地蔵菩薩立像  円空作   青森・西福寺   (江戸時代17世紀)

円空は生涯に12万体の作品を作ったといわれます、この像は高さおよそ
175cm、幅は50cmありますが奥行きは15cmしかありません。
西福寺にはほぼ同じ大きさの十一面観音菩薩立像も伝わりますが、
同じように造られているそうです。

 

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釈迦如来立像  円空作  (江戸時代17世紀)

円空(1632~95)寛文三年(1663)ころから仏像を作り始めますが、それから
間もない時期を東北と北海道で過ごします。

目的は厳しい自然環境の中で修行することでした。
東北の円空作品は表面を平らに整え細かなところも表すので、鉈彫りとして
知られる後期の大胆な表現とは異なります。

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如来の髪は粒のような形と決められていて、この像ではやや大ぶりながら
それが守られています、円空仏では粒を省略することが多くあります。

 

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十一面観音菩薩立像  円空作   秋田・龍泉寺

円空は生涯に12万体の仏像をつくりましたが、北海道に40体、青森県に17体
秋田県に8体残っているといわれます。

このころの作品は比較的細かい部分の形も表わしています、たとえばこの像の
頭上には頂上に如来の面がひとつその下に如来の立像、その左に菩薩の面が
3つ右に牙を上下に出した面がひとつ、その横に怒った顔をした面が2つ、背面に
菩薩の面が3つ表わされています。 各面の特徴をよく表現し分けています。

 

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東北の「三大薬師」と称される、「黒石寺」・「双林寺」・「勝常寺」の薬師如来像が
一堂に会しました。
3体が揃うのは初めてのことだそうです。

 

東北地方には私たちの心をひきつける仏像が多くあります、その中から
東北各県を代表するる仏像が展示されていました。

 

 

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