【添乗員同行】徳島阿波おどりツアー

本場徳島市の阿波おどり2024
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「のぞいてびっくり江戸絵画」眼で遊ぶ江戸の粋

「のぞいてびっくり江戸絵画ー科学の眼、視覚の不思議」展
この日六本木で2箇所目の美術館は「サントリー美術館」でした。

<遠近法>との出会い

江戸時代後期絵画の領域でも遠近法など西洋の視覚文化に刺激された新たな表現が花開いた。
すでに日本にあった遠近法に比べ、科学的理論に裏打ちされた西洋の遠近法は、圧倒的な立体感と
リアルさがあった。

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「不忍池図」   小野田直武   1770年代 秋田県立美術館

西洋画の遠近法や陰影法を採り入れながら伝統的な画材で東洋的な風物を描いた代表作で
和洋が混交した不思議な魅力をたたえている作品

広重の大江戸名所百景より

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「大てんま町木綿店」  (大伝馬町)

通りでは大店での仕事を終えたおそろいの着物を着た芸者2人が
お供の子女を従えて木戸から出ようとしている

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する賀てふ (するがちょう)

江戸の中心日本橋の南北の町屋はできるだけ江戸城と霊峰富士が
望めるようにと都市計画がなされていた。

正面に駿河の富士山が見えるように計画されており駿河町の名前も
この眺めからつけられた。
道の両側の全域を占めていたのは呉服店越後屋、広重は
種々雑多な買い物客でごった返す駿河町を描いている

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鎧の渡し小網町

この絵は以前に「広重江戸百景」町歩きの時にも紹介しましたが、
日本橋小網町と茅場町を結ぶ渡しです

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亀戸梅屋舗 (うめやしき)

この絵から影響を受けた印象派の画家ゴッホはこれと同じ構図の
油絵を描いている

 

<鳥の目>を得た絵師たち

空中から見下ろすように描かれた「鳥瞰図」「俯瞰図」は地形を
表すのに最適な方法として、古くは名所や神社仏閣を描く際に
使われてきた。

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「深川州崎十万坪」

深川は隅田川河口の左岸にあって、海に面した州崎は
元旦の初日の出、汐干狩、月見などで有名で人が群集する
ところであった。
遠くに雪化粧をした筑波山が見える荒寥とした州崎の風景、
空には獲物を狙った急降下寸前の大鷲が大きく描かれて
いる。

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水道橋駿河台

この絵に見える川は神田川、橋は水道橋、小石川側から
水道橋を渡った先は駿河台の武家屋敷であった。
この絵は駿河台の端午の節句の日の有様を描いたもの。

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駒形堂吾嬬橋

左下に見えるのが駒形堂、東は隅田川西は奥州街道に面して
建っていて、馬頭観音が祀ってある。

ここには浅草寺の総門があり、浅草観音を参詣に来た人は
駒形堂近くの河岸で船を降り、総門をくぐり、浅草寺に向った。

近くに材木屋が多くあり、絵の右隅に立てかけて貯木された
木材が描かれていたり、堂の筋向いに紅屋百助という白粉や
紅などの化粧品を売る小間物屋があり、長い竿の先に赤い
布をくくりつけて宣伝していた。

雨で暗くなった空を杜鵑(ほととぎす)が飛んでいる。
隅田川では立夏より15日目ぐらいに杜鵑が鳴き始め、それを
初音といった。
駒形堂の屋根越しに見えるのは江戸時代最後に架けられた
大川橋、俗称吾妻橋である。

 

<顕微鏡でのぞくミクロの世界>

顕微鏡や望遠鏡が輸入され、対象はより正確に、事実に即して
描かれるようになる。
江戸時代には和製顕微鏡も製作された。

自然界の景色がレンズを通してみると一変するという人々の
斬新な驚きを伝える作品、蚤や蚊など虫の拡大図や雪の結晶など
認識されるようになり、その姿が着物の柄などに取り入れられた。

「雪華文蒔絵印籠」には雪の結晶が描かれていました。
<光>と<影>を描く ー影絵・鞘絵・鏡・水面ー

江戸後期には、光学的現象への関心から光や影に対する意識が
高まり、その面白さを題材とした作品が多数生み出されます。

 

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月の岬

左手障子に映っている女は髪に挿されている5本の簪から
遊女と見ることができる、当時の遊女は3,5,7本という奇数の
簪を挿す習慣があった。

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即興かげぼしづくし  根上りのまつ 梅に鶯  歌川広重

障子等を通して見える影に注目した影絵はシルエットのみで対象を
表現する機知に富んだ趣向といえます。

影の効果をユーモラスに表現した視点が斬新な作品

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「みかけハこハゐがとんだいいひとだ」 歌川国芳

視覚的なトリックが目を引く「寄せ絵」 人物で人物を表現

 

ゆがんだ画像を円筒状のものに投影することで正常な姿に見える
「鞘絵」や鏡や水面に写る映像に焦点を当てた絵なども多数描かれ、
科学的に計算された「視覚効果」が絵画表現における大きな要素の
一つとなってゆく様子が見て取れます。

光や影を捉える絵師達の豊かな発想と鋭い観察が発揮された作品に
驚いたり、感心したり、「視覚の不思議」展でした。

 

 

 

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